新患さんその2(変形性足関節症:評価編)
お疲れ様です。
今回は変形性足関節症の患者さん。
変形性足関節症(足OA)は、足部・足関節障害の慢性化により生じることが多いとされてます。
足OAでは軟骨損傷を認めますが、足関節捻挫後の軟骨損傷の有病率が急性期より慢性期に多く、重度とされています。
つまり、捻挫をほっといて不安定性が改善しないままにしちゃうと軟骨損傷や骨棘ができちゃうってことですね。
現在、足関節外側靭帯損傷とかで治療している人は気をつけましょう。
概論みたいなのはこれほどにして、それではやっていきます。
主訴は「右足で階段を降りるときに足関節前面〜外側面〜後面が痛い」です。
受傷起点等は特にないが、実はこの人今回の患側である右足とは逆の左足も変形性足関節症の診断を受けています。
しかし左足はかなり前かららしく、サポーターでガッツリ固定していて実際診せてもらうと可動域はほぼゼロ。
今回の右足の症状も、前にやった左の症状とよく似ていたため、早期に受診したとのこと。
昔はバスケをやっていたらしく、捻挫の既往も両側あるとのこと。
まあこの辺はあるだろうなと思っていたのでまあそうだよねーって感じ。
さて評価です。
まず患者さんに会う前に画像所見をチェック。
レントゲン側面像で脛骨前方に骨棘を認めます。
→前方の痛みはこれが原因かな?背屈のアライメントとかどうかな?
こんにちは〜。
まずは疼痛について。
・どこが痛くなりますか?
→診察と同じように、「足関節の周りですね〜、前から外側、後ろ側です。」
その時の痛みはNRSで3くらいで、本人曰く違和感程度だそう。
・どんな動作で痛いですか?
→「右足を残して階段を降りるときに痛いです。普通に歩くのは全然痛くないです。」
つまり荷重位での背屈で痛いってことか。
→右足を前にてランジ動作をしてもらったところ、同じ疼痛が出現。
今回の痛みは「荷重位での背屈時痛」と言うことですね。
ちなみに徒手で背屈強制しても疼痛出現しました。
今回は忘れず再現痛取りました。笑
・圧痛所見
→前方の距腿関節(距骨前脂肪帯?)、Kager's fat pad(パートまではわかりません)、外果後方に認めました。
一番強かったのは前方の距腿関節(距骨前脂肪帯?)。
ここにはまさに骨棘あるのでそれによって関節包とかが炎症起こしてたかもしてないし、OAなんで軟骨損傷で関節内部での炎症かもしれないですね。
また、炎症が起きれば脂肪帯にも当然影響あるので炎症から硬さがでて圧痛取れたかもしれないですね。
次に可動域。
背屈:5°/0°
底屈:30°/5°
可動域制限は強く認め、最終域では背屈底屈ともに痛み出現。
痛みは主に前方距腿関節に認めました。
次に整形外科的テスト。
内反不安定性テスト:+/−
前方引き出しテスト:−/−
右の内反方向への不安定性を認めましたが、その他は正直硬さ、拘縮が強くてテストが陰性になっている印象でした。
左に関してはそもそもほとんど動かないって感じです。
次に足部アライメント。
内側縦、外側縦、横アーチの低下を認めていますが、FPI-6などの評価を正確に行なっていないため、視診での評価となってしまっています。
画像評価からも、踵骨の角度が底屈位であったことも扁平足の原因かも。
触診で足部の骨アライメントとかもしっかり触り分ける必要がありますね。
初回に見た評価はこんなもんです。
足りてない評価はまた次回見たときにしようと思います。
足りてない評価について
・荷重時背屈可動域は?
・距骨前方滑りの評価とかは?
・荷重位、歩行時、底背屈自動運動での足部アライメントは?
・足趾の可動域は?
・その他の関節のアライメント、筋力等は?
・エコーとかで確認したの?